緑内障手術

緑内障手術~流出路再建術について~

眼内には毛様体(図Aの部分)において、心臓から送られる動脈血から作られた房水が眼内を循環し、隅角にある線維柱帯を通過し、静脈に入り(Bの部分)、心臓に戻ってきます。
房水の出口にある網目状の線維柱帯の抵抗により房水の排出が悪くなり眼圧が高くなります。
その線維柱帯を特殊な器具で切開することで房水の排出を良くし眼圧を下げることを目的とした手術です。
白内障と同時に手術でき、他の緑内障の手術に比べると手術時間も短く(10分~15分)、重篤な合併症リスクも少ない新しい手術です。

内側から幅0.23mmのフックのような特殊な器具を用いて直接、線維柱帯を帯状に切除し房水の流れをよくし、眼圧を下げます。

点眼治療<レーザー治療<流出路再建術<インプラント挿入の順で眼圧下降効果が上がります。これらの器具には2枚の刃がついており一定の幅で線維柱帯を取り除くことができます
※線維柱帯を切開すると必ず前房出血します。
(術中に起きたら前房洗浄します)術後も出血する可能性があります。
出血するということはしっかりと線維柱帯を切開できているという
証拠でもあるのですが出血が多く、長期間続く場合は再度前房や硝子体腔の洗浄をする可能性もあります。

手術の流れ

①角膜を切開し、粘弾性物質を注入
 
②フックを挿入し、隅角鏡を用いて線維柱帯を切除する
 ※時計回り、及び反時計回りに各45~60°ほど切除し全体で90~120°切除します。
 
③眼内に残っている粘弾性物質や前房内に逆流してきた出血を洗浄します。
 

 

その他緑内障のことは、目の疾患「緑内障ページ」をご覧ください